ウニに注意

2008年 2月作成


フィリピンの田舎で注意すべきものは、これまでにも、赤アリなどを取り挙げているが、ウニもその一つである。ウニのとげが危険なのは、当たり前で、わざわざ言うまでのないと思っていたが、先日近所のビーチリゾートに泊まっていた日本人の足にウニのとげが刺さった。同じ宿に泊まっていた韓国人も同様にウニにやられた。高級ビーチリゾートなので当然客に注意を促していると思っていたが、そうではないようであった。私のところの訪問者も、目の前が海なので、海に入る人には、さんざん注意しているが、つい先日来た人もウニにやられた。かなり、ガードの固そうなサンダルを履いていたが、足を横方向に動かしたので、とげが刺さった。それでも、1、2本で済んだので、大したことはなかった。

フィリピンの海でよく見かけるのは、こちらではサルワキと呼ばれる馬糞ウニ。小ぶりで、扁平な形で、色は褐色から白っぽいのまでいろいろある。とげがそれほど鋭くなくて短いので、現地の人は素手で獲る。私もそうしている。もう一つは、トヨムと呼ばれ、とげが長く 色の黒い、日本で普通にイメージするウニの形をしたものである。危険なのはこのトヨムで、素足でトヨムを踏みつけたりしたら大変なことになり、沢山のとげが足に刺さる。他にも、だいだい色の大きなウニや、岩の隙間などについている小さなウニなどいくつか見かける。

不幸にしてウニのとげが足に刺さってしまったら、現地の人によると、何もせず放っておけば自然に消えるとのことである。私も以前失敗したことがあり、その指示に従ったが、残念ながら そんなに簡単に消えなかった。数週間は、とげが残っているし、痛みも続いた。と言っても、絶えられないほどの痛みではない。針を使って何とかとげを抜こうとしたが、うまくいかなかった。木の一部が指の刺さったのを抜くように簡単ではない。とげ抜きでつまんだら こなごなになりそうだ。ウニのとげが刺さっても、放っておけという理由は、無理に抜こうとして、ばい菌が入って化膿すると困るので そう言っているのだと 解説してくれる人もいる。

答えを示せずに書いているのは、あまり良くないのではあるが、とにかく題名にもあるように注意することだ。私の場合は、今のところ最初の1回で済んでいる。海に入る場合は基本的に浮いていて、いつもゴーグルでウニがいないか注意深く見ている。

日本との大きな違いは、とにかく沢山ウニがいるということである。日本だったらウニは居たらすぐに獲ってしまいそうで、そんなに沢山居るとは思えない。子供の頃 海の岩場でウニを探したが、ほんの少ししか居なかった。その後、すしネタのウニで、小さな身が数十並んでいるだけのものを、数千円払って買ったこともある。あまり獲れないから高いということだろう。
これに対してフィリピンでは場所にもよるが、獲り過ぎていなければ、海の底一面がウニと言っても良いほど沢山いる。私の家の前でも、単位面積当たりのウニ密度から、すぐ近くだけでも、100万個はあると見積もったことがある。しかしながら、近所の知り合いが船を出して、毎日1万個単位で獲って来ては、家族で中身を取り出し、ラムのボトルに入れて、大量に売っていた。そして程なくして数が激減した。近所の人が自宅で食べる分だけにしておけば、問題ないが、先のことを考えぬ乱獲をしていては、ウニも少なくなってしまう。

安全面から言えば、これが一番の対策とも言えるが、ウニが居なくなってしまうのは悲しい。


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