米国入国審査の絞られ方 (3)

2008年1月作成



最初に この話題を取り上げて 既に7年余りが経過してしまった。さらに、続編も書いたが、米国入国審査について関心がある人が少なくなくて、最近でも質問をいただくことがある。

例えば、「これまで米国入国審査でかなり絞られてきたが、今回は大切な用事で米国に行くので、入国審査で もめないように、パスポートを新しくしてはどうか?」というような質問があった。これに対して、これまでの私の経験で、例えば、「どうして100回も米国に来たのだ。」と入国審査官から聞かれたことがあり、これは何冊かのパスポートに渡っての結果であるので、古いパスポートからの情報も引き継いで残っていることが分かっている。また、デトロイトでは、以前の入国審査で、端末から書き込みされたのを その後の入国審査官が見て、何度も別室送りを繰り返したこともある。
パスポートを新しくしたからと言って、過去は清算できないので、返事に困ったが、米国入国のスタンプが余りにも多いパスポートは、特定の入国審査官に対しては、なんらかのマイナスの印象を与える可能性もあり得る。結局、その人は、まだ有効期限が残っているにもかかわらず、新たにパスポートを発行してもらうことになった。
その後、この人から連絡はないが、多分無事入国できたのであろう。
しかし、パスポートの更新がどれだけ意味を持つのかは、ちょっとはありそうだという予想を言えるだけで、あまりにも不確か過ぎる。パスポートをわざわざ更新するのは、普通の人ならやり過ぎだと思うはずだ。虚偽の申告をしてパスポートを更新するようなことなら、到底お奨めできない。

ICチップの入った新しいパスポートなら、米国入国審査の強力な助っ人になると期待したいが、残念ながら、私の場合 昨年の夏に更新したばかりで、まだ米国入国の実績がない。10年の期限切れまで1年足らずで、増刷分も含め、ほとんど紙を使い切ったので更新した次第である。
新パスポートの威力は、インターネットで検索すれば、それなりに情報を得られそうだが、自分自身の経験を踏まえて、また まとめることにしたい。

以上は推測のような話ばかりで、これだけなら わざわざ今回この話題を再度取り上げることはないのだが、最近 以下のようなショッキングな話を聞いた。それが続編を書いたきっかけである。

南米帰り

シキホール島に長期滞在中の熟年夫婦からの情報である。

婦人は、南米が気に入り、何度か訪問したそうだが、まずは マイアミでの入国で 厳しく絞られたそうだ。ポートランドでの入国審査で全裸同然にして取り調べられた女性の話は有名だが、その方は、マイアミで同じような目にあったそうである。麻薬でも持っていると思われたのであろうと想像するが、目の前で話した人が、そのような目に遭ったというのを聞くと、さすがに厳しいと思ってしまう。
その次は、マイアミを避けて、ダラスから入国したそうだが、そこでも別室送りにされたそうだ。前回の記録がコンピュータに残っていることが容易に想像できる。

その人の話では、その後、ある人物は、マイアミの入国審査で、あまりにしつこく取調べされたのに憤慨して、審査官を無視してそのまま行こうとしたところ、射殺されてしまったそうだ。
インターネットで検索してみたが、射殺された人の話は見つからず、確認は取れていない。

その女性は、二度と米国には行きたくないが、南米には行きたいとのことであった。カナダ経由の方が良さそうだ。

LAXで別室送り

私の方の最近の経験談を取り上げておく。
最近と言っても、1年近く経ってしまっているが、入国審査が厳しくないと思っていたLAXでのことである。私の前に並んでいた人が別室送りになった。長期で何度もLAに来ているので、何しているのかということになった。横で見ていた私の印象だが、審査官の質問に対して、審査官を納得させるように英語でうまく答えるのは容易ではないので、必要なら通訳に来てもらった方が良いとも感じた。特徴のある服装が その時の審査官にマイナスのイメージを与えたのではないかとも思った。

私は、次だったので他の列に並び替えるのも難しく、同じ審査官に当たったものの、なんとか入国を許されたが、9.11以降、米国入国審査がさらに厳しくなったという状況は、今も変わっていないのは事実であろう。

ただし、以前の繰り返しになるが 反論が出るかもしれないので付け加えておくと、特定のパターンには該当すれば、以前も今も楽勝と言える場合も多い。



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