特集 日本からフィリピンへ その寄り道で行く雲南・ベトナム

 第四部 ハノイ

2009年6月作成
2018年6月最終更新


(→2018年6月追加 - タンロン遺跡 & 軍事歴史博物館)

ハノイはベトナムの首都と書く必要はないはずだが、ずっと前に学校を卒業した人には、サイゴン(ホーチミン)へ首都が移ったのではないかと錯覚してしまう人がいるかもしれない。実は私だけか?これはドイツの首都がベルリンに戻ったので、ベトナムでも同じようなことが起こったのではないかと錯覚してしまうからと勝手な理屈をつけておこう。

ハノイの町並み

ハノイ駅
首都の鉄道駅だが こじんまりしている。中国の巨大な駅とは対照的だ。

中心部は路地のような狭い道が多い。

広い道もあることはある。

城壁都市の名残の門 
駅と同様こじんまりしている。 名前が漢字で書かれ中国の影響が伺える。

雨が強く降り出したと思ったら
ホテルの前の道が洪水のようになった

市場の建物の中

市場の周辺のお店

町の中心には湖がいくつもあり、市民、旅人の憩いの場になっている

旧市街にある19世紀の民家を展示しているところ。


(2011年9月追加)

フィリピンと日本との往復で寄り道する場合に、手軽に行けて割安感が漂っているのがベトナムで、そのためハノイにも最近何度も足を運んでいる。日本からでも、ベトナム航空のスカイチーム入りなど、ベトナムに行くのがべんりになったという話もあるが、そちらは、マイル切り上げの話があって簡単ではない。

ともあれ、ここでは最近のハノイの様子を少し追加しておきたい。

博物館・美術館

博物館、美術館めぐりは、個人的には相当好きな方だが、ベトナムでは これまでほとんど行かなかった。どうも展示が充実していないのではないかという偏見があったからだ。しかし、今回行ってみた歴史博物館は相当レベルが高くて お奨めだ。国家の威信をかけてこの博物館を建てているという気概がひしひしと伝わってくる。残念ながら中では撮影不可となっていて、内部の写真はお見せできない。

ハノイは暑い時期には相当気温が上がるので、日中はここに来て、見学がてら、中でしばらく涼んでおくというのも悪くない。実際、ベンチに長時間座って休憩している外国人をやたらと見かける。

場所も旧市街から歩いていける便利なところにある。

歴史博物館

もう一つセットで行ってみたのが、美術博物館である。こちらは、ハノイ駅の近くで、旧市街から歩いて行けなくもない距離だ。モダンアートなど、展示はそれなりに充実している。たまたま、特別展でモダンアートの陶芸の展示があり、なかなかいい感じで、売り物なら買ってかえりたくなった。しかし、万一売り物だとしても、私が買えるような値段ではあるまい。



美術博物館

モダンアートのオブジェ

モダンアートの陶芸

民俗学博物館 (2014年1月追加)

多くの旅行者が泊まる旧市街やその周辺のホテルからのアクセスがかなり悪いので、ずっと行かずしまいだったが、行ってみたら非常にレベルが高かったので取り上げておく。 Trip adviserでもAwardをとっている。敷地の奥の方に少数民族の家が建てられていて、それぞれ中に入ることができる。特にバナ族の集会所は屋根の上部までかなりの高さで見ごたえがある。もちろん中にも入れる。

民俗学博物館
BAO TANG DANG TOC HOC VIET NAM

博物館の建物の中では、少数民族の衣装や仕事ぶりなどを展示している。
バナ族の集会所 チャム族の家
エデ(Ede)族の家 エデ(Ede)族の長屋の中

敷地内にお洒落なカフェが2店ある。
時間の都合と、財布の紐の堅さから入らなかったが、高かろう、良かろうの世界だろう。
それでも、見た感じかなりハイレベルなので、次回来ることがあれば試したい。
カップルだったら、ここはMUSTであろう。

バスを利用する場合、帰りは博物館の前から乗ればよいので、ホアンキム湖の近くなど、そこそこ所望の場所までバス一本で帰れるはずだ。
行きは、方向が一致するバスに乗って、ガイドブックと車内に表示されている停留所のリストを照らし合わせていたら、近くの乗客が、途中で乗り換えるようにフォローしてくれた。次のバスでも、別の乗客が、ここで降りろと教えてくれた。普段は、ボッタクリばかりに神経を尖らせているが、ベトナム人は親切な人も多いのが分かって よい経験ができた。これが最善ではないが、乗り換えも含めれば、バスでもなんとかたどり着きそうだ。


文廟 (2014年12月追加)

文廟は ハノイで人気の観光スポットで、それを裏付けるように、日本語ガイド付きの日本人の団体も見かけた。そうなったら、いつものパターンで、コバンザメ方式で、漏れ聞こえてくる日本語の説明を聞いて回った。

ここは 越南の学問の殿堂で、1000年くらい前からの年代が入った説明がいろいろ見受けられ、歴史があるのがわかる。 圧巻と言えそうなのが、科挙の合格者の石碑で、見たところ全部で80ほど並んでいる。今はベトナム語は日本人には難しいが、昔は漢字を使っていたので、石碑にも進士と書かれていて 科挙の合格者であることがわかる。席次がトップから3番までは、大きく取り上げられていて、その後の活躍が期待されたものと想像できる。試験は3年ごとにあったようだが、石碑に合格年をあてはめた配置図があり、それを見ていると、どの順番に石碑が建てられたかがわかり、それを見ながら、位置決めに 上からの指示があったのか無かったのかとか、そんなことを詮索するのも楽しい。

正門

進士の記念碑

歴史のある木造建築で見ごたえがある

日本だと天満宮のようなところで、卒業の
学生が、記念撮影に来ていた。

中庭の池

植物園 (2014年12月追加)

植物園と言っているが、通常の植物園のように、いろいろな植物を植えて、植物の名前が書かれているわけでもない。これは、ただの公園であろう。

真ん中に広い池があり、特に暑い時期には、池の回りの木陰で涼んでおくのが良さそうだ。

植物園ぽいと言えそうな唯一の木。
写真は下の方だけだが、かなりの巨木である。シキホール島でも同様な形状の木があるが、それは、上から多くの蔓が降りてきて、根を張って太くなったものだ。
こちらは、下から伸びて沢山からまっている。

フィットネスの器具がいろいろ置かれている。
このように屋外に設置されたものは、
中国の公園でよく見かける。


タンロン遺跡(2018年6月追加)

タンロン遺跡は、ベトナム諸王朝の王宮・城塞の遺跡で、ハノイの中心部にある。2010年に世界遺産に登録され、整備が進められている。 
敷地はかなり広く、半日くらいかけてゆっくり見て回りたい。ただし、暑い時期の日中は避けた方が良さそうだ。
べトナム軍事歴史博物館の横にあり、続けて見て回るのが便利だ。

入口が、ちょっと分かりにくい 端門と 見学の子供たち
地下会議室 展示物の一例
遺構の発掘現場
正北門

ベトナム軍事歴史博物館(2018年6月追加)

ベトナム戦争を中心に 当時の戦闘機や戦車その他多くの展示がある。

博物館の建物

墜落した飛行機で作ったオブジェ

ミグ

プロペラ戦闘機


ホーチミン廟 (2013年1月追加)

定番の観光地であろう。

ホーチミン廟の裏表(写真 左右)

ホーチミンの住居

ホーチミンの家の中

質素な家である。

ホアロー捕虜収容所(ハノイ・ヒルトン)(2013年1月追加)

ここも定番の観光地であろう。ホアロー刑務所として、植民地時代にフランスが作った刑務所。独立運動の政治犯が収容された。その後、ベトナム戦争当時には、米軍捕虜を収容した。米兵からはハノイ・ヒルトンと呼ばれていた。

入り口付近

展示室の様子

刑務所に入れられた人たち

ギロチンもある

狭い部屋に何十人も
詰め込まれた

本家(?)ハノイ・ヒルトン


旧市街、夜のストリート・パフォーマンス(2016年6月追加)

ハノイの旧市街を夜に散策していると、いろいろな場所で、ストリート・パフォーマンスが楽しめる。少し前までは見なかったので、新しい試みなのだろう。無料だし、ベトナムの文化に手軽に接することができてお奨めだ。(ただし、シーズンがあり、年中はやっていない。)

特設の舞台で歌や踊りを披露している様子

伝統音楽の演奏

若者による屋外ライブ演奏

夜の旧市街の通り

夜のホアンキエム湖周辺


その他

(2011年9月追加分)

ハノイ教会
夜に行った方が綺麗なのだろう

市劇場

ハノイのシンボルと言えるホアンキエム湖。その中に浮かぶ小さな小島にあるのがこの玉山祠

玉山祠に展示されている大亀の剥製

準正シンカフェ・オフィスで、旅の手配を依頼する中国人たち。ベトナムでも中国人旅行者の数が増えている。

旧市街の様子

旧市街で いつも泊まる宿の辺り

旧市街の露店フランスパン売り

(2013年1月追加分)

王北門

一柱寺
ホーチミン廟の横にあり観光客が多い

タイ湖(西湖)

Hang Da
以前の市場がリニューアルして、高級化したが、あまり客を見かけなくなった

ハノイの電気街

LY NAM DE通り


ハノイで食べるB級グルメ

ベトナム戦争がベトナム料理を輸出したと言えるのか、日本も含め多くの国でベトナム料理店を見かける。先日行ったフィリピンのパラワン島のプエルト・プリンセサでは、ベトナム難民キャンプがあり、今はほとんどすべての人が米国移住を果たし、大抵空き家になっているが、町にはその名残としてベトナム料理店が多い。美味しいブランスパンも食べられる。日本でも、ベトナム料理店に幾つか行ったことがあるが、やはり、現地で食べるのが安くて美味しく格別だ。

ブンチャ
(つけ麺)

野菜たっぷりの麺
汁は温かくなく冷麺風

揚げ春巻き

ご飯の上におかずがたっぷり
BANH TRANG TRON(2014年12月追加)
薄い麺のようなものも含め、いろいろ混ざっている。味が濃いのでビールが欲しくなる。一度は試してみたい味。
お米の柔らかい麺の焼きそば
(やきうどん?) 2014年12月追加

ガイドブックには当然、もっと いろいろな料理が紹介されていようが、B級グルメ志向の私の感覚では この写真のレベルで十分だ。定番の生春巻きが足りないくらいだろう。

安めし屋(2018年3月追加)

Budget travellerがハノイに来れば、旧市街かその周辺の安宿に泊まることが多い。旧市街では、屋台等 高級ではない店も多いが、観光客向けで、しばしば割高に感じる。上に取り上げたようなB級グルメを試すには便利だが、とにかく安く栄養補給をしたい人のために、安COM(めし)屋にたどり着くノウハウを紹介したい。

個人的には、少し離れるがハノイ駅の近くにCOM10という安くておいしい店があったので、ずっとそこに通っていた。しかし、周辺に類似店ができ、客を奪われ、遂には潰れてしまった。よくある乗っ取りのパターンである。

その対策で 探しなおして 見つけた良い場所が下の写真の歩道橋の向こう側だ。この橋は旧市街の東側の大通りにかかっている歩道橋で、この大通りに行けば簡単に見つかる。橋を渡たり、通りと川の間に町が広がっていているが、橋を渡ってわざわざそちらへ行く観光客を見かけたことがない。そのため、観光客向けでなくて、普通の現地価格があるだろうと容易に想像できる。

実際、橋を渡って少し右に歩いていくと安COM屋が並んでいて、現地価格で食事ができる。

目印の歩道橋

今回入った安COM屋

豆腐や卵と野菜の料理だけだと
さらに安い。

ビヤホイ戦線異常あり (2013年1月)

ビヤホイは庶民的な価格で飲めるベトナムのビールで、ハノイに限らず ベトナム各地で飲めるが、ハノイの旧市街の中央辺り、Ta HienとLuong Ngoc Quyenの二つの通りが交わる辺りのビヤホイ屋台は、観光名所の一つと言えそうなほど賑わっている。

ハノイに行くと、いつもここでビヤホイを飲んでいくが、当初と比べていろいろと変化が見られる。端的なのは値段で、数年前は三千ドンだったのが、四千ドンになり、現在では五千ドンに値上げされた。経済成長という名のインフレであろう。( さらに6千ドンに値上げ 2017年)

その他にもいろいろと変化があり、写真で追ってみたい。

ビヤホイを道端の屋台の椅子に載せてみた

通りの角にあり、ベトナム人客が多いビヤホイ屋
ここが本家であろう。
この写真でも変化あり、右側の通りはリニューアル
されて綺麗になったが、当然値段も上がった。

左の写真の店の対面、外国人御用達のビヤホイ屋
というより、外国人は普通のビールを飲んでいる場合が多い。外国人向けでは ここが元祖か本家であろう。
しかし、今回は客が見当たらなかった。
理由は以下に続く。

外国人御用達本家の客を奪っているように見えるのが、その向かいに新しくできたバーだ。
できた当初は高級そうで中に入る客は少なそうだったが、いつの間にか、店の外側に定番の安物椅子が並んでいる。

本家外国人御用達ビヤホイ屋の斜め向かいの路地に、いろいろと料理も注文できるまさに、路地ビヤガーデンと言えるようなものも登場し、やはり本家の外国人客を奪っているように見える。次の晩行ったら、警察の取り締まりで、一時退去させられていた。店を構えた合法店による通報と思えるが、本当のところは分からない

歩行者天国で警察もビアホイを支援?(2014年12月追加)

ハノイには結構な回数来ていて、その度にビアホイを飲んでいるが、旧市街の中心のビアホイ街は、毎回のように状況が変わっていて、目を離せないと言える。行く度に発展を繰り返しているとも言えるが、2014年12月に行ったところでは、歩行者天国になっていた。ヒアホイのためだけに歩行者天国をやっているのではないが、子供用のような小さな椅子に腰掛け、いたるところでビアホイを飲んでいる姿が見受けられるようになり、警察も観光やビアホイ業者を支援しているのは間違い無さそうだ。以前なら、道端に椅子を並べて 邪魔なので、警察が取り締まりに来そうな感じだったが、ビアホイ革命が起こって、警察がビアホイ方についたと、そんな風に考えるとわかりやすい。

歩行者天国で賑わうビアホイ街


最近の偽シン・カフェ事情 (2013年4月)

ベトナムは細長い国で、二つの大都市であるハノイとサイゴンとの間がかなり離れている。また その間に 多くの観光客が訪れるフエとホイアンがあり、その他にも、ニャチャンなどの観光地が点在する。それらを結んで、途中下車しながら乗れるのが、シンカフェのバスで、オープン・ツアーバスと呼ばれる。最近は、他にも競合バス会社が沢山できている。寝台バスで、寝ている間に 次の町に移動でき、ホテル代と時間の節約になり、合理的でお得な旅ができる。具体的には、ハノイとサイゴン間のチケットが多いが、通常車中3泊し、安宿の3泊分程度の値段でチケットが買えてしまう。いろいろな面で合理的でお得なので、多くの旅行者がこのバスを利用している。

ハノイでは、シンカフェの看板を出した代理店が沢山あって、ほとんどは偽物である。私は、準正の代理店でしかシンカフェのバスのチケットを買ったことがないので、偽ものの実態はよくは分からないが、とにかくハノイの旧市街には何十もの偽代理店が存在する。シンカフェのバスよりも、後発で算入したバス会社の方がチケットの値段が安いという噂があり、別の会社の看板が出ていて、そちらの方が安いのが分かれば、別のバスも試したいとは思う。

しかし、ハノイではシンカフェの看板をやたらと見かける。

それらは、
・ベトナムで 代理店を通して鉄道のチケットなどを買う時によくあるように、間で取り次いで、準正の店から買ったものに手数料を載せて売りつけるのか。
・準正の代理店から卸価格で仕入れ、普通と同じ値段で売るのか。
・競合する別のバス会社のバスのチケットを売るのか。
・バスも偽で、別のバスに本物と同じ名前をつけて運行しているのか。

等、いろいろなパターンがありそうだ。

中身については、今後も継続調査が必要で、今回は看板を紹介しておく。

以前は、黄色と赤色がベースの看板で、鳥のマークが付いていた。それをそのまま真似した偽者が沢山できたので、数年前からは、本物は、名前を変えて、色も水色ベースのものにしてしまった。

しばらくは、本物だけが他とは違っていたので、偽者との区別を付け易かったとも言えるし、本物だけが変な感じで浮いていたとも言える。ところが、最近になって、偽ものも本物に追随しだした。

旧タイプの名前と看板をそのまま
使っている偽もの

昔の名前だけ真似した偽もの
その後追随できていない





本物の最近の様子
名前をTheSinTouristに変えた。

今のところ本物のオフィスにだけに見られる
本物の商標

本物のサイト www.thesinhtourist.vn

本物の対面には、偽もの代理店が三軒ほど並び、以前は、看板を旧タイプのままにしていたが、最近は、本物に追随して、色も名前も同じような感じになった。

www.thesinhcafetourist.com.vn

かなり本物っぽい。サイトを眺めてみると、商標の丸が一重か二重の違いがあったり、見ていて結構楽しめる。

サイトのURLも書いていないし、分かりやすい偽もの


参考) 
→ハノイ・ノイバイ空港
→ハノイ旧市街


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