スケジュールを隠したがるシキホール島の船会社

2015年6月作成
2016年4月更新


スケジュール秘密主義のGL Shipping
そのチケット売り場@シキホール島

シキホールを発着する船会社のビジネスの動向について、これまで何度も取り上げてきたがその続編を紹介する。

競争の時代から、GL Shippingが抜け出し、独占に近い状態になった。そのGLが 宗教上の理由で土曜日に運休するので困ったことになったというのが前回の話だった。その後、土曜の不便さの解消も含め、他の船会社の参入もあったが、GLの強気の経営は続いて、今度は、スケジュールを隠すというユーザー泣かせの行動に出た。スケジュールがなくて、客が一杯になったら出発するジプニーのような運行を始め、流石フィリピン、他国では考えられない好き勝手なことを平気でやるなと思えてくる。飛行機だと、スケジュールを出さないと認可されないという話はよく聞くし、安全上当然だろうが、船の場合も同様に思える。

スケジュールを公表しなくなっているが、実際には内部にスケジュールがあり、窓口でたずねてみると、シキホール発は朝6時、8時、9時、10時で次が午後1時だとか言われる場合もある。しかし、それをもとに前日にチケットを売ってもらおうとしても駄目だし、実際にどの船が出るのかは、当日にならないと確定しない。船会社は客が沢山集まったところで出発すれば儲かる。スケジュールを出すと、それを守る義務が多少とも生じるので、隠しておいた方が船会社の都合は良いのだろうが、利用者にとっては不便極まりない。

このような船のスケジュールの隠蔽体質は、以前のシキホール島にはなくて 新しい話だが、最近何度も行っているバンタヤン島では、同じようなことになっている。シキホールと同様 一社が抜きん出ていて、激しい競争にはなっていない。他社も含め、チケット売り場にはスケジュールが張り出されているが、特に対岸のセブ島のハグナヤでは、バスが到着し 客が十分集まったら チケットを売り出し 船を出す。そのため、スケジュールは書いてあっても無いのと同じ。そんな風に乗客の目からは見える。

米国の航空会社でも、特にシャトル便で、客が少ないと間引き縮退運行に出くわすことは少なくない。以前の話だと、成田・シンガポール間で、競合する米国の航空会社が、客が半分以下の場合に、二社のうち一社だけで運行し経費を節約していたというようなことも耳にした。
それらと比べて、どちらが客の利便性をより損なっているかという議論もありそうだが米国の航空会社の場合は、お詫びのマイルをくれたり、何かの補償があるだろう。

→ スケジュールを隠していては客には甚だ不便で、最近は、大手の船会社の便が増えたこともあり、対抗の意味でも、スケジュールを再度貼り出すようになった。(2016年4月追加)

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