泥棒に入られ易いWindowsの脆弱性

2008年 9月作成
2008年11月更新



(→2008年11月更新分)


いい話ではないが、注意喚起の意味を込めて、またまた泥棒の話を紹介する。

自宅に空き巣が侵入

泥棒の侵入経路となった二階の窓

ジェロシーとよばれるフィリピンでよく使われている窓。簡単にガラスが外れてしまうのが難点。今回の泥棒によれば、真中の下3枚のガラスを外して中に入ったそうだ。前回は 1階の窓が同様に犯行に使われたのだが、それなりに解決したので良しとしていた。しかし、今度は別の盗人に入られてしまった。

以下、事件の顛末を紹介する。

今年の6月、少し日本に帰って1ヶ月ほどしてから戻ってきたら、空き巣に入られていた。私が現地から居なくなった直後の6月10日の午後7時頃、不審人物が私の家から急いで逃げ去るのを、隣のおばさんが目撃していた。さらに、泥棒に荒らされた形跡も残っていた。それで、多分 泥棒が何か盗んでいったに違いないという情報が 日本に居た私の方に伝わっていた。現地に戻ってみると、さらに話が進んでいて、6月30日、私の自宅から800mほど離れたところに住む14歳の少年JがDVDプレイヤーとDVDのメディア3枚を返しに来たそうだ。それを隣のおばさんが受け取り、「お前が盗ったのか?」と、おばさんが詰問すると、「はい。」と答えたそうで、ローカルに自首してきた形になった。以前も、空き巣が盗んだ現金をビニール袋に入れて、私の家の裏に投げ捨て、返してきたことがあったが、似たようなことが再現した。おばさんに目撃されたので、ヤバイと思い、盗んだものを返して、許してもらおうという魂胆のようだ。

犯人は分かっているので、何を盗まれたか一通り確認して、犯人の家まで取り返しに行った。

少年Jの話では、私の家の二階の窓から侵入したそうだ。現地でジェロシーと呼ばれている窓で、ガラス片を3枚外した形跡が残っていたので、3枚外したのかと聞いたら、そうだとの返事。前回は一階のジェロシーをやられ、今回は二階を狙われた。前回で泥棒は追っ払ったので良しとしていたが、別の盗人が登場してしまった。ジェロシーは簡単にガラスを外されるので、鉄格子をはめろということになるのだが、刑務所の中で暮らしているようなので好きではない。出費がかさむのも面白くない。以上は私の意見だが、代替案としていいアイデアがあれば良いが、それでなければ、最低限の盗難対策として、外国人の家なら窓に鉄格子は必要ということになろう。地域によっては、木の格子で済ましているところもある。

盗まれた物を返させるにも、「それは盗っていない。」と開き直られると面倒なことになるので、まずは、私の自宅に箱だけ残っていたデジタル・カメラを返せと要求した。開き直りには、指紋うんぬんと反論できるからである。実際には、犯人は簡単に盗んだことを認めた。知り合いに渡したと本人は主張したが、近所の人の情報から、借金のかたで 他の人物に渡してしまったようだ。新しいオーナーは善意の第三者かどうか不明だが、そこへ行って話をすると、無料で返してくれた。

DVDのメディアは、ハードディスクにコピーを取ってあったので、何が盗まれているか簡単にリストを作成することができ、それを犯人に渡し、最初の3枚以外にも、かなりの枚数が帰ってきた。当初、私のものでないメディアまで、返却品の中に含まれて、こちらに回ってきた。このことより、複数の家から盗んでいること、および、沢山盗んでいるので、どこから盗んだか、あまり覚えていないのだろうと想像された。

電動ドリルと、タイルを切るためのカッターも盗まれていて、そちらは、近所で金物屋をしている中年Eに、それぞれ、600ペソと500ペソで売られていた。犯人はお金がないというので、電動ドリルは600ペソ払って、買い戻した。この中年Eは、盗品商と近所で噂されていて、非常に怪しく、後に警察で打ち合わせするときの証拠にもなるよう、カッターの方は、そのままにしてある。しかし、危険人物で、仕返しされる可能性が高いので、この人物の対応には、微妙な舵取りを迫られている。

再発防止策として、犯人や関係者に、警察から招待状を出してもらい、警察で打ち合わせを行い、犯人に正直友好契約のようなもの結ばせ、泥棒ビジネスから引退する約束をさせる予定である。


しばらく近所に住んでいた日本人の場合

日本人が住んでいた家。
あばら家と呼ぶのがふさわしいだろう。

泥棒が侵入した窓。

私のところのコテージにしばらく泊まって、貸し部屋か借家を探してシキホール島に住み着こうとした日本人がいた。以前 私のところに来た人で、その人から、再訪を希望するということを、携帯のテキストで送られてきたのだが、あいにく部屋が空いていなかったので、返事ができずにいた。すると、その人は、私の家の近くのフィリピン人で、以前に親しくなった人のところに行って、部屋を見つけてもらい、私が関知しない間に、勝手に住み始めてしまった。そこが良い場所なら問題なかったのだが、以前に、別の日本人が似たような形で、そこから30mも離れていないところに住み着き、いろいろトラブルが起こった場所だった。おまけにとんでもないあばら家だったので、数日ならなんとかなっても、普通の日本人がしばらく住めるようなところではなかった。こちらも忙しくしていて、また、勝手に住み始めたので、勝手にしてくれとも思ったが、やはり気になり様子を見に行って、早く別の場所に移った方が良いという話をした。しかし、海のすぐ横で眺めは良くて、日本人にしてみれば、ただ同然で借りられるので、その人は結構気に入ってしまった。来年には土地を見つけるが、それまでは そこに仮住まいするということだった。農業が目的だったので、周囲に作物を植え始めたりした。

その人が住み始めたのは5月のことで、6月に私は日本に帰ったのだが、私と全く同じ6月10日に、家の中に置いていた現金を盗まれた。300mほど離れたところに、おかずを買いに行った間のことで、やはり、窓から侵入されたそうだ。窓と窓枠に穴をあけてあり、そこに釘をさして、カギにしてあったのだが、とにかく、泥棒に簡単に入られてしまいそうな窓である。家自体が簡単に壊せて、どこからでも泥棒に侵入され易いとも言える。

時間は、私の家が空き巣にやられたより数時間前のことで、距離は1kmほど離れているが、何か関連を見出したくなるものの、今のところ、二つの事件の関係は見つかっていない。

すぐに騒ぎ出すと、犯人が用心するので、その人は、黙っておいたところ、よくあるように、バイクを買ったり、金遣いが荒くなる人物が出てきて、誰が犯人か簡単に目星が付いたそうである。そこへ別のフィリピン人の知り合いが入ってきて、話をつけてやるということだったが、盗られたお金は戻らず、交渉に入った人物は、しばらくしてマニラに行ってしまった。犯人も6月22日にミンダナオ島に逃亡してしまった。被害者の見立てでは、盗んだお金のかなりの額を返せば、許してもらえるよう話をつけると交渉人が犯人に持ちかけ、お金を受け取り、そのまま猫ババしたに違いないということである。近所の人の噂では、マニラに行ってしまった方が、主犯ということになっていた。しかし、そちらは、犯行が行われた6月10日には、仕事を探しに別の島に行っていたので、実行犯でないことは分かっている。

その後も、その日本人は災難続きで、近所ともめて、ストレスがたまり、退職者ビザを取得していたのだが、3年先にはフィリピンを撤退することに決めたそうだ。資金面の課題もあり日本に戻るが、その後、再度フィリピンに来る気はないとのことだ。 私の分析では、フィリピン人との距離の取り方に問題があったと思われる。

その人が来ようとした時に、二つある来客用のコテージがどちらもふさがっていた。もしも、私のところに泊まれていて、そのあと、私も一緒に適切な場所を探して、そこに住んでもらっていれば、こんなことにはならなかったのは自明で、とても気の毒なことをしてしまった。少しの違いがこの人のこの後の人生に大きく影響を与えたようで、フィリピン非線形問題とでも例えたいが、実際には、そんな仰々しい話ではなく、よくあることで、注意一秒怪我一生という交通安全標語と同じようなことであろう。


泥棒の話なんか書くのは、フィリピンのイメージダウンだから、良くないという意見の人も少なくないはずだ。特に ビーチリゾートのオーナーなどはその可能性が高い。

しかし、先日行ったパラワンのポート・バートンでも エルニドでも、コテージでは 入り口の階段に靴をそのまま脱いでおいては盗まれるかもしれないので、中に入れろと注意してくれた。私も自宅では、訪問者に対して同じことを言っている。
フィリピンだけでなく、
マーシャル諸島に行った時も、到着して半日もしないうちに、自転車を盗まれてしまった
中国では、貴重品一式を盗まれたこともある
日本の感覚は、日本以外では通用しないということだ。

フィリピンの場合、泥棒に腹を立てている善良な人が多いのだが、0.1〜1%くらいの悪者がいて、そいつらが、特に、お金を持っていると思われる外国人を狙う。これまでの経験では、日本でもありそうだが、たいてい悪ガキ、不良少年である。

敵を知って、少しでもトラブルを回避してもらえるよう願いたい。

私の場合は、要塞のようなものを作るのは好みでないし、気軽に近所の人に来てもらいたいという思いもあり、泥棒ごとに個別にもぐらたたきで対応している状態で、完全解決には至っていない。探偵ごっこも、頭の体操になるので、ある程度は悪くないと思っているのも影響している。しかし、盗まれた物を取り返せていない場合も少なくない。盗った者勝ちでは、盗らなかった正直者が馬鹿を見たことになりかねない。早々にそこそこのガードは固めようと思っているところである。


(2008年11月更新分)

予定していた通り、その後 幾つか対策を行った。窓については、これまでに泥棒に入られたところに関しては、鉄格子をはめた。しかし、外がよく見える窓については、見晴らしが悪くなるので、鉄格子は入れておらず、未だ対策は検討中である。5、6年前と比べ、鉄筋が3倍程度の値段に上がっていて、高くて買いたくないということもある。鉄くずの値段が日本では大暴落しているので、そのうち、鉄筋も安くなることを期待したい。

泥棒少年Jを加え 警察で打ち合わせして覚書を作ってもらった。盗まれた電動工具が転売され、それを買い戻す代金を泥棒が払えない(払わない)ので、こちらで払うしかなかった。私の方で払った代償として、最近始めたラーニングセンターの周囲を掃除をするという約束になったが、予想どおり一度も来ない。

防犯対策済みの窓

盗まれた電動工具は、近所の中年Eが買っていた。そのうち電動ドリルは、即座に私の方で買い戻したが、もう一つの工具の方は、証拠の意味もあり、そのままにしておき、警察の打ち合わせの後に買戻しに行った。すると、さすがに悪党で、私が同じ値段で買い戻すと知ってから後、工具がボロボロになるまで 使い込んでいた。 それはあんまりなので、こちらも腹を立て、警察に出頭命令を書いてもらい、お灸を据えてもらおうとした。盗品を買うのは違法行為だからだ。しかし、今度は命令を無視してやって来ない。相手が悪党なので、深追いすると こちらも火傷する可能性もあり、ほどほどのところで折り合いが必要だが、なんとか再発防止を実現したいものだ。近くで 盗品を買い漁っているような輩がいては、泥棒も仕事がしやすいので、善良な人たちは困ってしまう。


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