いわしで暮らす

2017年 2月作成
2019年11月更新



(→2019年11月更新分へ)

ハウル・ハウルと呼ばれる体調20cmほどのいわし
@直径20cmのボール

覚えるのが苦手な私としては、歯売る・葉売るなどと当て字に
しないとすぐに忘れてしまう。

いわしの煮付け フィッシュ・ボール

フィリピンの島暮らしでは、食事は 何と言っても魚が一番だろう。これまでにも、「焼き魚を楽しむ」ではいろいろな魚を試しに焼いてみた結果を紹介し、「いか、かつお生活」では、魚が値上がりしてきたので、どの魚が比較的安いか紹介した。残念ながら、インフレはさらに進み、ここでは一番安いと言えそうないわしを取り上げる。

いわしについては、以前にも、現地でマランセと呼ばれている小ぶりで体調10cmほどのいわしを紹介したが、今回は、体調が20cmで、現地でハウル・ハウルと呼ばれている大きめのいわしである。どちらが良いかは、観点によろうが、ハウル・ハウルは、軽く煮て食べるのに適していそうだ。それは、日本人的発想と言えそうで、フィリピンの人たちは、マランセもハウル・ハウルも、そのまま揚げて食べる場合が多い。それも良いが、揚げ物ばかり食べていると、胃腸に厳しいというのが普通の日本人の感覚であろう。それもあって、煮付けをお奨めしたい。

私自身は料理の素人だが、繰り返し料理していると、試行錯誤の結果 それなりに美味しい煮付けができているような気になってくる。と言っても大したことをしているわけではなくて、酒、砂糖、酢を少々、醤油、そして、香りが良くなるよう刻んだ生姜を入れて、しばらく煮ているだけだ。みりんなどは手元にないので使わない。たまたま知人が訪れ、自宅の前で漁師が捕ってきたいわしを買って、毎日のように料理して食べたが、知人は、指先でごしごしうろこを落としていたので、そのやり方を参考にさせてもらった。最初に少し灰汁を取るくらいのことはするが、それもまだ素人料理の範疇だろう。

別の知り合いから、水をどれくらい入れるか質問され、答えに窮してしまったが、浅く炊くなら 直感よりもかなり水は少なめでも良いのだろう。骨まで柔らかくなるよう数時間炊くなら、水もそこそこ要りそうだが、魚の値段と比べ、ガス代が気になってきて、浅く炊いてすませたくなる。適当なことを書いて申し訳ないが、とにかく、魚の味が美味しいので、適当にやっても失敗はないと思う。すき焼きの醤油と砂糖の分量が、食べる人の味の好みで変わるような程度の話だろう。

一度に1kgほど炊けば、一人、二人でも何度か食べられ、どう保存するかという話になるが、そのまま鍋に入れておいた場合、暑いフィリピンでも、朝、夕に一度ずつ火を入れれば、数日は問題ない。食べる前にも火を入て暖めれば、美味しくいただける。冷蔵庫で保存することもできる。

もう一種類、上の写真でも取り上げているように、フィッシュ・ポールを知り合いに作ってもらった。私のレシピで、作ってもらう予定だったが、買い物に行っている間に、既にできあがっていて、フィリピン式に軽く油で揚げたものになった。沢山作り、小分けに冷凍して、少しつづ味噌汁にでも入れて食べれば、魚を定常的に食べるのに便利そうだ。

魚の値段は、書いている時点で、マランセは1kg10〜20ペソ程度で買えるが、ハウル・ハウルは1kg30〜100ペソ程度と少し高めだ。自分で買うのは、大体30〜50ペソの時だ。


(以下、2019年11月追加)

漁師が獲ってきたいわしを、近所の人も協力して
網から外しているところ

最近の状況を少し追加しておきたい。

右上の写真は、シキホール島の自宅の前で、近所の人も協力して、体調10cm余りの獲れた小さ目のいわしを編みから外しているところで、最近撮った様子だ。以前にも紹介している通りだが、小さくて魚の数が多く、時間がかかる作業で、一方、近所の人は手間賃でいわしをもらえ、今後も続く光景だろう。

小さ目の いかとかつお、そして、いわしは安い魚の代表格で、その中でも、いわしは日本でも大衆魚で、栄養も豊富で、家の前で漁師が獲ってくるなら食べない手はない。将来、経済的に厳しい状況になったとしても、これらの魚を食べていれば、まさに、食べていくのに困ることはないだろう。

実際には、インフレが進んだ今でも、市場で売っている高級魚でもまだまだ割安で、ラプラプやまぐろなど、見かけたら今のうちに買って食べておこうともしている。それでも、安くて美味しいのが一番で、その代表がいわしで、漁師が獲ってくれば買って食べている。

上の写真で獲れているのは、マランセと言われるいわしで、大きさは時期にもよろうが、今回は12〜15cm程度の大きさだ。値段も大きさによっても 変わるが、1kg 25ペソだった。少し前は、1kg 20ペソが多かったので、値上がり気味かもしれない。しかし、隣のおばさんは、3kg 50ペソで買っていて、やり手の買手か、押し買いだ。今後もインフレは続きそうだが、将来高くて買えないということにはならないだろう。万一そうなったら、漁師を手伝って、無料でいわしをもらって帰ればよい。


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