特集 第二部 避暑なら雲南 2018
日本38℃、昆明26℃

2018年7月更新


(2018年7月改訂版)

石林@昆明

麗江の小道

最初に 「避暑なら雲南」という話題を取り上げてから10年余りが経過してしまったが、特典旅行の必要マイルは増えるし、現地の物価は上がるし状況は芳しくない。しかし、避暑について言えば、日本の夏は増々暑いが、日本が38℃でも、昆明は26℃程度の過ごし易さだ。

標高は、

 昆明 1900m
 大理 1900m
 麗江 2400m
 シャングリラ 約3300m

雲南は熱帯に近いが高地のため夏でも涼しい。
物価が上がったと言っても、日本に比べれば、かなり安く過ごすことができるし、日本の暑い時期に雲南に行く意味は十分ある。

フライト

特典旅行で大理や麗江も行ける

UAやDLのサイトで特典旅行を検索しても、雲南で行けるのは、以前は昆明しか見つからなかった。しかし、今では、例えばUAで検索すると大理や麗江も行けることがわかる。

残念ながら、特典旅行の必要マイルは改悪され、以前はUA,DLともエコノミーなら2万マイルで日本から往復できたが、今は それぞれ3万マイル、3万5千マイルに増えた。元を取るため、少しでも遠くへ飛ぶ。または、現地で周遊するためオープンジョーが良さそうだ。

さらには、UAだとExcursionist perksを活用したくなる。まずはどこか東南アジアの1都市を目指し、そこに、しばらくおまけで滞在したあと、Excursionist perksのおまけのフライトで、ラオスのルアンパバーンにでも飛び、そこから陸路ゆっくり雲南を目指し、最後に麗江あたりから帰国する。こんなルートだと盛沢山で 十分堪能できそうだ。しかし、これは私の好みなだけで、いらぬお世話だというコメントも出そうだ。人それぞれのルートがあるのだろう。

フライト検索サイトでは往復約3万円から

特典旅行が改悪されてしまったので、有償で行く場合を調べてみると、日本と昆明との往復のフライトの最安値は3万円程度が見つかった。これはLCCではなくて、キャリアはCAだ。出発地、時期などでいろいろ変わる話なので、大体の目安として取り挙げた。LCCでもっと安いバーゲンが出ることを期待したい。

香港経由

これは昔ながらのルートで、以前は 香港で中国のビザを取得し、そこから、陸路中国入りしたものだ。雲南に行くなら、広州や深センで安い航空券を探すことができる。安い航空券が見つからなければ、鉄道で行くことも可能だ。
ここで取り上げている理由は、懐古的な話ではなくて、今なら日本と香港の間は、ピーチなどのLCCのバーゲンを利用できそうだからだ。
このルートのネックは、避暑が目的の場合、涼しい雲南になかなかたどり着かない点だろう。

LCCでハノイ経由

直接雲南ではなくて 日本とハノイ間なら、LCCのジェットスターかベトジェットで安く飛べる可能性がある。ハノイと中国との国境のラオカイまでは、バスで千円程度で行け、最近は高速道路ができたので 4、5時間で到着する。国境を越えれば、雲南の河口で、そこから鉄道やバスで雲南の各地に行ける。

片道特典とハノイ経由のLCCを組み合わせるのも良さそうだ。

安宿

予算に応じて、予約サイトで所望の宿が簡単に見つかるはずだが、ここでは安宿情報を紹介する。

ホステルのドミトリーは40元前後

2006年に麗江に行った時には、15元で泊まれるホステルがあったが、流石に今はその値段は無さそうで、検索してみたところ、雲南全体で安くても30元くらいからのようだ。

昆明で最近何度か利用し、駅の近くの便利なところにある雅居青年旅舎は40元から泊まれる。ここは、中国人の若者が多い。
さらに検索してみると、昆明には他にKunming Upland International Youth Hostelがあり、そちらは欧米のバックパッカーに人気のようだ。

昆明の日本人宿として長く続いていた茶花賓館は、残念ながら取り壊されてしまい、長期滞在の日本人とドミトリーで交流できたのは、今は昔の話になってしまった。
もう一か所、町の中心にあり、人気があったハンプというホステルは、移転して 値段も上がっているようだ。元の場所に行ってみたら無くなっていた。

雅居青年旅舎

ドミトリーではないが、昆明駅周辺の代行業者の案内には 30元から部屋があると書かれている。旅慣れたバックパッカーなら、この30元の部屋でも泊まれることだろう。

田舎なら割安で、値下がりも期待できる

建水の民康客棧という宿は、初めて泊まった時には50元だったが、二回目は 値引きがあり40元で泊まれた。扉が開き難くなったりして、老朽化したとも言えるが、値段の割りには十分快適で、WiFiも使えるし、テレビ、トイレ、シャワー付きで、部屋も十分な広さだ。昆明のドミトリーの値段で、田舎町だとシングル・ツインの部屋に泊まれる可能性がありお得だ。

その他の町でも、同様の値下がりを経験していて、競争に加え 年季が入ったことが影響しているようだ。

民康客棧@建水  一泊40元

食べる

雲南と言えば、米線だろう。これと もう一つ、中国のどこでも見られる、おかずを何品か選ぶパターンの店で食べておけば、バジットトラベラーには十分だろう。

米線

並んだおかずから好きなものを選ぶ
中華のファーストフード

BC級グルメだけではダメな場合は、普通のレストランに行けば良いが、中華のことなので、大皿でいろいろな料理を楽しむため、メンバーを揃える必要がある。

観光

各地の写真をいくつか紹介しておく。

松賛林寺@シャングリラ(香格里拉)

朝陽楼@建水

元陽の少数民族

翠湖@昆明
その昔入場料を徴収されたが、現在は無料

雲南に各地の話題は、これまでにかなり紹介したが、その中から幾つか選んで リンクを挙げておく。

元陽棚田  昆明2015   シャングリラ(香格里拉)



以上、今回 全面改訂したが、以前の記事も 以下にそのまま残しておく。


(初版)

特集 第二部 避暑なら雲南、予算1万5千円、
昆明 茶花賓館 撃沈、松茸食い倒れの旅

2006年9月作成

石林

大理古城

2万マイルで行ける避暑地

日本の夏は暑いので、マイルを使って避暑に行こうと考えるのも悪くないだろう。私の場合は、フィリピンに居ることが多く、8月、海沿いにある自宅に居れば、日本に比べて圧倒的に快適である。夜は、ひんやりとして寝苦しいようなことはない。クーラーなど不要だ。 そのため、これまでは、避暑にどこかに出かけたいと思うこともなかったのだが、たまたま 今回8月に雲南省に行ったところ、とても快適であった。

昆明を含め、雲南省の大部分は2000mか、それ以上の高地が多い。8月、日本の猛暑の時期でも、こちらは、日本より気温が10度は低く、長袖を着ている人も多い。日本からアジアへ2万マイルで行ける避暑地として、雲南はお奨めだ。
他にも、避暑地としては、フィリピンのバギオや、マレーシアでも高地がありガイドブック等にも載っている。もしも現地に行く機会があれば その結果を踏まえ、また紹介したい。

雲南は観光地で、日本からのツアーも沢山ある。値段は、16〜18万円程度のものが多く、予算が十分ある人は、それに参加すれば 手軽に見所に連れて行ってくれて 便利であろう。しかし、ここで対象にしているバジット・トラベラーには縁のない世界であろう。 
ここでは、今回の下見(?)の結果を踏まえて、 激安の旅のプランを練ってみた。


特典旅行が無料でない分

表題のように、ターゲットとした予算1万5千円では、当然 特典旅行しかないが、それでも、税金、空港使用料、保険など、いろいろと請求される。今回は、NWのマイルを使い、CZでKIX/CAN(広州)/KMG(昆明)を往復したが、KIXの2650円を含め、合計5450円請求された。切が良いので、予算1万円としたかったが、無料でない分があるので、1万5千円とした。現地での滞在費用が ほぼ1万円以下ということだ。

大きな字では書けないが、徴収されるかもしれないと恐れていた燃料サーチャージは、今回は請求されずに済んだ。これについては、これ以上書かない。

宿泊

昆明で安宿と言えば、従来から昆湖飯店と茶花賓館が有名だ。茶花賓館は ユースホステルの協会に属するようになり、会員証があれば割引になるので、ここを目指した。ドミトリーで1泊25元。これならしばらく居座っていても、財布に優しい。中国のユースは、全国的な基準があるのか、どこも大抵綺麗だ。ここも例外ではない。すぐに移動していく旅行者もいるが、長期滞在組みも多い。居心地が良いということだろう。私が泊まった時には、人柄が良い日本人が長期で滞在していて、部屋を確保いてくれていて、お陰で日本人部屋ができていた。ここで、世界中旅の情報を仕入れて、おまけに、ボクシングのトレーニングまでさせてもらって大満足であった。できれば帰りを延ばしたかったが、特典旅行では、変更ができず、別の機会に また行くしかない。
ここに泊まっていれば、予算1万5千円でも、4〜8泊程度の滞在は可能であろう。

また、以前は、昆明の安宿は限られていたが、最近はホテルが過当競争しているので、60元程度でも、相部屋ではない そこそこの部屋を探すことができるはずである。ただし、割引前の値段では最低でも200元程度のことが多く、値引きしていないホテルが やたらと割高だったりするので、いくつかあたってみた方が良い。 

茶花賓館

→ 残念ながら、茶花賓館は取り壊されて無くなってしまった。(2015年10月記)

食事

雲南と言えば、米線。3元で日本のラーメン1杯分の量があり、普通の日本人なら、これで十分だろう。ただし、名物の過橋米線は、割高感があり、バジット・トラベラーには向かない。試しに1度食べるだけで十分だろう。

朝食は、朝定食を勝手にでっち上げてみた。 トウジャン、油条(トウジュンにつけて食べる 揚げパン)、包子で1.5元。

安宿で人を募り、安中華料理店に行き、1品10元くらいの料理を、人数分だけ注文すれば、フルコースのかなり豪華な食事ができる。ただし、安宿の長期滞在組みの人々は 財布の紐が固そうで、メンバーを募るのが難しいかもしれない。

1万5千円コースなら、食費は1日10元かもしれないが、夕食ぐらいは、メンバーを募り、一人20元の予算にすれば、大満足は間違いない。4人ほどいれば、火鍋を食べても、この予算で収まるはずだ。

米線

でっち上げの朝定食
トウジャン、油条、包子

松茸食い倒れ

バジット・トラベラーとは言っても、何か1点 豪華にしたいものである。そこで、松茸を一生分 食べ貯めしようという案を考えた。日本人で 茶花賓館に滞在中だった雲南のエキスパートは、1kg 60元で、市場から松茸を仕入れてきたということであり、できれば この金額を目指したい。(残念ながら、私が行った時は 入荷量が少なかったか、その値段では買えなかったので、仕方なく量を減らした。) 茶花賓館のドミトリーに泊まっていれば、自炊ができるのがメリットだ。焼き松茸を、1kg食べれば、一生分食べたと言っても良さそうだ。実際には、そんなに沢山はとても食べられないので、回りの人と一緒に食べることになろう。松茸を食べるため、日本から、しょうゆ等を持って行ったりとか、それなりの準備が必要だ。

交通費

市バスの料金が1元と手頃で、これを利用しない手はない。2階建てのバスも走っていて、2階席に乗れば、町の様子が良く分かる。市バスで町中を移動しているだけなら、交通費は1日5、6元で十分だろう。タクシーの初乗りが8元で、これで2kmほどは、メーターが上がらない。町中の移動なら8〜15元程度である。茶花賓館から空港までが15元であった。

経由地での滞在費

今回は、帰りに広州に1泊する必要があり、客引きに100元だと言われて、ホテルに連れて行かれたが、130元の部屋しか空いていなかった。ホテルが高いと噂されている広州にしては、値段以上に内容が良さそうに思い、そこに泊まってしまったが、もう少し事前に情報を入手して、安宿を目指す必要があった。 ここで取上げているレベルの旅では、経由地での滞在費用は2000円程度だろう。
また、UAのマイルを使う場合には、ストップオーバーを希望しなければ、そのまま1日で移動することになり、経由地での滞在費は要らないはずだ。

オプショナル・ツアー

ここまで 書いた分だけで、それ以外には何もしなければ、1万5千円の予算で十分収まることだろう。しかし、せっかく来たのだからと、ついでにいろいろ回り出すと、当然だが出費がかさんでくる。

別途詳しく紹介するが、例えば、大理まで行くのに、バスは片道80元から120元程度。世界遺産の麗江までは170元程度となる。麗江まで行っては、予算オーバーとなろう。ただし、長期滞在には向いていて、麗江のホステルは一泊15元だった。


旅の予算

以上を合計すると、以下の通りとなる。

税金、空港使用料など
宿泊費(5泊)
食費(1日 20元+α)
松茸
交通費
経由地での滞在費

合計

約5500円
約1900円
約2000円
約1000円
約1000円
約2000円

約13400円

あとは、お土産か 少しおまけにどこか回るということになろう。

こんな しみったれた旅は、まっぴらだと、どこかでそう思って読んでいる人が少なくないかもしれない。しかし、読んでいる人がそれなりに居ることから、このような内容でも、肯定的に捉えてもらっている人も少なくないと期待したい。
ここで紹介しているのは 参考情報に過ぎず、必要に応じて、グルメに走るとか、民芸品を買い漁るとか、アレンジが可能である。そうすれば、人それぞれ最高のコストパフォーマンスを達成できるはずだ。

今回の趣旨とは外れてしまい 余談かもしれないが、大理や麗江へ行けば、古い民家をホテルに改造した宿が沢山あり、これに泊まるのもお奨めだ。四合院などと呼ばれる建築様式で、広い中庭があって雰囲気が良い。ヨーロッパの古城ホテルに泊まるほどではないにしても、メキシコのコロニアル調の雰囲気の良いホテルに泊まるのと同じような感じだ。麗江のホステルは一泊15元だったが、ここで 100元も出せば、かなり良いところが見つかるはずだ。

マイレージを使って ハワイや香港に行くより、格安のパッケージ・ツアーに参加した方がお得だといった議論もある。計算してみると確かにそうなるかもしれない。この状況に対抗するには、特典旅行では、現地で、バジットトラベラーに徹することだと提案したい。そうすれば、航空券代が無料であることが生きてくる。また、パッケージ・ツアーに対抗するためには、この場合のように、近場でのCクラス利用がお奨めだ。1万マイル追加するだけでよい。

他にも お得なマイルの活用法としては、海外に長期滞在する人が、マイルを使って1年オープンのチケットを入手するといったことが挙げられる。

茶花賓館のドミトリーに泊まったのは、単に安いというだけでなく、いろいろな話が聞けて、とても役に立った。普通のホテルに泊まっていては得られない収穫で、それだけでも、今回の旅費の元は十分に取れたと思う。




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