盗難に注意

2009年 4月作成
2013年1月更新



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これまでにも フィリピンでの泥棒のことを度々取り挙げてきた。そんなことばかり書いていては、イメージダウンで行きたくなくなるという意見も出たが、そんな方は来て頂かなくて結構と申し上げたい。泥棒の手口を少しでも知って、十分に注意して被害に遭わないようにした方が余程良いからである。私もかなり助言しているが、それでも日本の感覚を持ち込んで簡単に盗まれてしまった人が後を絶たない。これに対して、盗まれる可能性があることを想定して行動していれば、全くと言って良いほど問題ない。

既に、
シキホール島の泥棒事例
隣人が泥棒だったら
探偵ごっこ/かえって来たペソ
泥棒に入られ易いWindowsの脆弱性
などでも取り挙げているが、最近も盗難の話題には事欠かない。既出の話題も含め、最近の盗難の事例を紹介する。

まずは、大工、工具がらみである。私の家でも、大工にはいろいろ盗まれている。ミンダナオ出身の大工に働いてもらったところ、仕事が終わって数日後、彼がミンダナオに戻る間際に、夜戻ってきて物置のカギを壊し、電動カンナと電動ドリルを盗んで行ったということあった。 その後ドゥマゲッティに住む二人の日本人と別々に話をしたところ、同じように電動工具を盗まれたということであった。一人は、働いていたどの大工が盗んだか特定できているが、警察に通報しても家宅捜査をしてくれないということだ。もう一人は、誰に盗まれたか分からないそうだが、とにかく、外国人は電動工具を盗まれ易いということだ。余談だが、二人目の方は、インターネットでもよく名前を見かけし、フィリピン暦が長い方である。シキホールにも家があり、お会いしたのはシキホールの警察署の待合室。 どちらも泥棒事件のことで警察に行って、たまたま出会った。
私の電動工具は、物置から自宅の中へと場所を移したのだが、今度はWindowsの脆弱性を衝かれ、近所の悪がきに、持って行かれた。幸運にも泥棒は自首して来たが、既に売り払っていたので、なぜか私がお金を払って買い戻すという日本では考えられない事態になった。その後は 好きではないが、窓に鉄格子をはめた。

他にも大工には、いろいろな工具を盗まれているが、自宅の裏に住む大工が、プライヤを盗もうとしたところを、現行犯で捕らえたことがある。二つあったプライヤのうち大きい方が無くなり、どうしても大きい方のプライヤが必要だと、私が騒ぎ出したところ、泥棒大工が、自分の工具袋から「ハイここです。」と言いながら出してきた。間抜けな泥棒だ。他にも二つあった金切りバサミの一つなくなったとか、いろいろ盗難事件があったが、同一犯であることは間違いなく、泥棒以外でも問題を起こしたので、二度と雇うのは止めた。 
もちろん、善良な信頼できる大工が大多数であることも承知頂きたい。

もう一つ、共通に取り上げたいのは、コテージの外の履物である。私のところの訪問者でも、コテージの外にスリッパを脱いでおいたら、次の朝には無くなっていたことがあった。私の自宅の入り口に脱いでおいたスリッパも無くなって、私のブラックリストに載っている人物が近所で そのスリッパを履いていたという話もある。
先日パラワンに行った時に、複数のコテージに泊まったが、履物は部屋の中に入れておくよう、毎回 指示された。ポート・バートンでは、同じ宿の別のコテージに一年以上住んでいた米国人が、窓に格子をはめ、木で塀を作って、ミニ・アラモ砦とでも言いたくなるようなものを作っていた。何も盗られていないのに、時間をかけて、そんな仰々しいものを作ることはあり得ない。
履物については、ホテルのように部屋の中に入れておけば問題ない。

次に、私のところの訪問者の最近の盗難被害の事例を紹介する。

まずは、「パンツを盗まれた大阪のおっさん事件」である。これは、以前「パンツをはかない子供」「パンツをはいて連れて行かれた子供」を紹介したが、それに対抗して、本人が取り上げて欲しいという要望があったものである。またまた余談だが、この子供は母親によりレイテ島へ連れて行かれた後、学校にも行かせてもらえず、水汲み番少年をしているそうである。こちらに居れば、私も仲が良かったので、いくらでも面倒を見てあげるのに、気の毒なことをした。さらに別の話もある。先日紹介した「Puerto Galera Wedding」の遠藤さんは、写真家で、この子の写真も撮って販売してきたが、それが一番よく売れているそうで、本人に還元したいということだった。しかし、お金を払っても親が使ってしまい この子の学費などに回るとは期待できないので、話はそこで止まっている。

盗まれたパンツの話に戻ると、河内ではないが大阪のおっさんは、しばらく私のところのコテージに泊まっていたが、その時、競泳用の高級なパンツを他の洗濯物と一緒に干していた。折角なので、試しに別のところにも泊まってもらうということになって、少し離れた場所にあるリゾートのコテージに泊まってもらった。パンツも一緒に持って行けば問題なかったのだが、そのまま干しておいたところ、次の日帰ってきたら無くなっていた。私の洗濯物は盗まれたことは一度も無いので、風で飛ばされて、その後犬がくわえて行ったという可能性も無くは無いが、多分盗まれたのだろう。その後、近所の暇な人に臨時の探偵になってもらったが、海でそのパンツをはいている人物などは見つからなかった。オカイ・オカイ(古着)で売られてしまった可能性が高い。人のパンツなど お金をもらってもはきたくない。男もののパンツが盗まれるなどということはあり得ないというのが日本の感覚だろう。ここでも日本の感覚を持ち込んだのが敗因と言えよう。

大阪のおっさんの再訪時に、女性用の派手なパンティを並べて干しておき、これを餌に、彼がリベンジでおっさん探偵をするという案が残っている。

もう一つは、マニラでの携帯電話盗難事件である。こちらの訪問者は、シキホール島での滞在にとても、満足されていたのだが、帰国時にトランジットでマニラに行った時に、リュックのサイドポケットに入れておいた携帯電話を盗まれたそうだ。盗まれ易い条件や対策は書くまでもないだろう。本体は、保険でカバーできるが、写真、動画、アドレスなどのデータが無くなってしまったのが一番困るそうで、それなら、バックアップが最重要ということになる。マニラで二泊ということなので、ホテルでテレビでも見ておいて下さいとでも言いたかったが、それは難しく、嫌な予感が的中してしまった。それでも、日本の感覚を捨て、盗まれるのを想定して行動していれば 問題なかったはずである。
一般的にも、フィリピンでの携帯電話の盗難、ひったくりが日常茶飯事であるのは周知の事実であろう。
私の携帯電話を近所の学生に貸しておいたら、ドゥマゲッティでひったくられた。以前、近所の人を日本へ研修に送り出す話を紹介したが、その人が日本に向かう途中、セブのサウス・バス・ターミナルで携帯電話をひったくられた。身近にも被害は多い。

最後に、近所の日本人経営の宿屋の事例を紹介する。インターネットで検索していたら、その宿に泊まったら貴重品一式を盗まれ最悪な宿だという記事が、ホテルの評価サイトに投稿されていた。フィリピンでは盗難が少なくないので、そんな投稿をされるのは、宿には気の毒なことだと思って読んでいた。ところが、その宿に長期で泊まっていた別の方から、そこに泊まっていた2ヶ月の間に、3回も盗難事件があったという話を聞いた。私のところにように開けっぴろげなら、複数の泥棒が入れ替わり盗んでいく可能性もあるが、そちらは、塀で頑丈にガードしてあり、盗難が続くようでは内部犯行としか思えない。私がそう言うと、その方によれば、犯人は そこで働くコックで、関係者はみんな分かっているということである。当然やめさせれば良いと私も思うが、オーナーがかばって、そうしないそうである。たぶん、何か辞めさにくい諸事情があるのだろう。他の従業員の話では、年中無休で働いているのに、客一人当たり1泊の宿泊料くらいしか、月々の給料をもらっていないそうである。それなら、怪しい人物に有給で二ヶ月くらい休んでもらっても、費用は わずかなので、そうすれば、事実関係が判明し、客のためにもなりそうに思う。
当事者に聞いてもまともな答えが返ってくるはずがなく、確認は容易ではない。確認が出来ないのなら、取り上げるなという話もあるが、私のところの事例を紹介しているのと同様、利用者に注意喚起する意味で取り上げた。
変な話で、万一間違いが判明すれば訂正するが、他の事実も総合すると この件は、ほぼ間違い無さそうだ。

これからフィリピンへ来る人、特にシキホール島に来る人の参考になるよう いろいろな事例を取り上げた。盗難に遭わないためには、特に、日本の常識は捨てて、注意して頂くよう再度お願いしたい。


(2013年1月更新分)

既にいろいろ紹介しているような子供のマンゴー泥棒を止めさせた話や、下宿屋に泊まっていた時に、共同の冷蔵庫の中に冷やしておいた大瓶のコーラが徐々に減っていくのを、塩入のアイスコーヒーを使って解決した話を、知り合いの日本人に紹介したら、どうも誤解されてしまった。

この人からは嫌われそうだが、差し障りがないよう名前は出さないし、少し補足しておきたい。
ここで取り上げている分けは、少なからぬ人の参考になると思っているからだ。

その人からは単に遊んでいるだけだというような内容の指摘を受けて、確かにそういう面もなくはないが、狙いは別である。

フィリピンでは、盗難も始めいろいろなトラブルが起こる。それらを、単に厄介に思って、嫌になっていては、フィリピン撤退が近いと言わざるを得ない。

ドゥマゲッティで20年以上ボランティア活動を続けておられる大先輩の日本人は、日々起こるトラブルが楽しくて仕方ないと言われている。 ”そうでなくては、長く活動を続けることはできない。” これが真実であろう。ドゥマゲッティでは、他にもいろいろなNGOがやって来たが、大抵は3年ももたず、みんな撤退してしまったそうだ。一言で言えば、「馬鹿馬鹿しくてやっていられない。」ということになろう。そう思わせるような胡散臭い連中が沢山来て 邪魔をして、トラブルが起こる。トラブルは、賄賂やぼったくりなどだけではなくて、支援される側にも胡散臭い連中が沢山いる。しかし、一方、この方も今だ活動を続けれているように、気の毒な人も沢山存在する。

話が少し横道に逸れ出したが、無い知恵を絞っても、トラブルを楽しむような工夫が必要だろうということである。

泥棒の被害に遭うかどうかは、自宅の防犯対策を十分にすることで、かなり防げるという話もある。しかし例えば、私の家の前に、近所の人が憩えるように、Purokと呼ばれる簡易の休憩場所を 善意で建てたら、泥棒がそこにたむろして、空き巣に入る隙を伺っているようなことも起こる。堅牢な守りで、自宅では盗まれなくなっても、旅行など外に出ると盗まれるかもしれないので、自宅で引き篭もりがちになる人も少なくない。百点満点は難しい。

日本でも盗難は少なくないが、それとは比べものにならないのが、海外での事情であろう。日本の常識が通用しないのは、泥棒の被害についても言える。泥棒のトラブルで楽しむくらいのゆとりが欲しいものだ。

ただし、一つの十分条件の解決策があり、そちらを選択する手もある。

保証の限りではないが、アポ島とBatanesでは、それぞれの住民の話によれば、盗難はないそうである。日本でも、離島で、家は開けっ放し。隣の人が工具を借りにきいて、誰もいないので、勝手に借りて行き、ちゃんと返して、後から一言お礼を言うという話があるが、同じようなところがフィリピンでも存在するということだろう。住むならそういう場所という事に決めれば、盗難に関しては問題なさそうだ。 しかし、よく知っている人から実はそうではないという反論が来そうにも思うが、そこまで疑うのはここでは止めた方が良いだろう。

シキホール島を含め、フィリピンのほとんどの地域では、盗難は多いのが実情であろう。例えば、間抜けな話だが、マーシャル諸島のマジュロまで行って自転車を盗まれた話を別途紹介しているように、世界中ほとんどの地域で盗難には要注意であろう。


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