シキホール島のBrown out(停電)事情 2016年5月

2016年5月



最近の発電所の様子

発電機の動作は安定・
季節の変わり目の風雨で送電線に問題が多発

新しい電力会社が登場し、新しい発電機を導入したおかげで、シキホール島の電力事情はかなり安定してきたが、残念ながら、5月の後半になって、停電が頻発するようになった。

停電情報という題名を続けていて、観光で売り出しているシキホール島にマイナスのイメージなので、そろそろ普通に電力事情という題名に変えたいとも思っていたが、停電が繰り返したので、改名は先送りにさせてもらった。

停電が繰り返すのは発電機の不調かと思って、いつものように発電所に問い合わせに行ったら、送電線の問題だと言われた。そうは言っても、発電機が止まっているので、発電機の問題なのではないかと、少し疑いの目で見ていたら、発電所で働いている人から嫌がられてしまったようで、写真も撮って欲しくなさそうにしていた。発電と送配電が別会社で分離していていて、送配電側の別会社であるPROSIELCOのオフィスに問い合わせるよう言われた。そう言われたので、PROSIELCOに問い合わせに行ったら、確かに送電線に問題があるとのことで、発電機を疑いの目で見て、発電所の人に申し訳ないことをした。

具体的には、シキホール島全体の各地で、電線が切れたり、短絡していたり、いろいろと問題が起こっているとのことだ。丁度、問い合わせに行った時にも停電していて、その時は、島の南側のLaziで、電線が切れて、その影響で、発電機が自動停止し、全島停電していて、電線の点検をしている最中とのことだった。その後1時間ほどで電気は復旧し、修理が済んだのか、不具合箇所を分離したのかどちらかである。

丁度季節の変わり目で、この数日前から季節風の向きが変わり、5月20日に雨が降り、その後21日と22日の夜には、どちらも まとまった雨が降った。そして、まとまった雨が降った21日と22日の夜には、どちらも長時間停電した。季節風の向きが変ったことや、久々にまとまった雨が降ったことが影響しているのは間違いないだろう。ただし、そのことを電力会社の人に聞いても、すんなり肯定の返事は返ってこなかった。問題箇所を開閉器で分離して、それ以外の場所を復旧させているだけで、具体的にどこがどう悪いのか、把握できていない場合もあるとのことで、調査中の場合も多そうだった。

例えば、私の自宅では、雨の影響で椰子の木が無残な最期を遂げた。椰子の木の上の方の葉の部分が、まとめて落ちてしまったのである。2年越しのエルニーニョの影響で、ほとんど駄目になっていたところに、まとまった雨が降り、乾燥した枯れ葉に水が浸みたりして、水の重さに耐えられなくなり、ばさっと落ちてしまった。それで、近くの電線に危うく影響するところだったが、なんとか電線は助かった。このようなことも島のあちこちで起こり、電線が影響を受けている可能性がある。その他、風向きが変わり、これまでと違う方向に椰子の枯葉が飛んで、電線に影響したとか、雨水で漏電したとか、他にもいろいろなことが考えられる。


停電の原因についての決定的な情報が入手できれば また更新したいが、季節風の向きが変わり 雨季に入り出す時に、停電が頻発する可能性があるという事実を押さえることだけでも十分であろう。

どれくらいで群発の停電が収まるのか見込みを知りたいので、発電所で聞いてみたところ、一人の従業員の個人的な意見では、まだ しばらく夜の停電は繰り返すだろうとのことだった。22日は夜中に5回停電したそうで、通常夜に雨が多いので、それらを考慮しての予想であろう。しかし、翌晩は雨が降らず、その次の日は夜中に少し雨が降ったが、いずれも停電はなく、その後数日も停電はなく、おかげで、安定し出したようだ。

PROSIELCOの担当者の話では、特に山の中の各地で電線の問題が発生していて、特定するのに時間がかかると言うことで、山に住んでいる人は、電気が来ている世界から開閉器で分離されて、停電が長引く場合が少なからずありそうだ。

群発停電と書いたが、地震ならそれぞれの地震は瞬時に終わるが、停電は復旧にしばらく時間がかかる。今回のように電線の問題が各地で多発する場合には、停電から復旧する前に、別の電線の問題が起これば、停電は一つにまとまってしまう。
発電所で夜中に5回停電が起こったというのは、5回発電機が停止したということだろうが、私が自宅で感じたのは、停電の途中で、復旧しかけてすぐにまたダメになった時があっただけで、5回ではなくて、精々2回である。もっとも夜中のことなので眠っていて正確ではない。
停電から復旧する場合には、まずは、発電所と電力会社のオフィスをむすぶ地域だけが復旧し、その後順次、復旧する地域を拡大させていく。これが電力会社からの説明で、実際にも、停電から復旧する時には、自宅から海沿いに眺めて、そうなっているのが確認できる。
自宅では、5回も停電していないというのは、停電後発電機は再起動しても、私の家が停電から復旧する前に、新たな停電が起こったということだろう。

不具合箇所の分離

電線がショートしたりして、発電機が自動で停止した後、とりあえず、不具合箇所を分離すれば、故障を修理する前から、残った地域は停電から復旧する。言われてみれば 当たり前だが、これまでは それを考えていなかったので、今回は良いお勉強になった。このようにして、とりあえずは、さっさと復旧する場合も多いのだろう。反対に、このようにして分離された地域の優先順位が低いと、修理を後回しにされて、なかなか復旧しない場合もあるのだろう。実際にも、自身の住んでいる地域がまさにそれで、送電線で風に弱い部分があり、少し風が吹くと停電し、なかなか復旧しないことが多かったが、少し前に来た大きな台風のあと対策されたので、風に強くなった。


(参考) これまでの停電関連の記事

停電(Brown out) 2000年2月
Brown Out(停電)事例 2000年7月〜8月
Brown Out(停電)事例 2000年10月
Brown Out(停電)事情 2010年5月〜6月
停電だ、おっと 真紀菜 2011年10月
Brown Out(停電)事情 2012年2月〜
シキホール島のBrown out(停電)事情 2013年5月〜
シキホール島のBrown out(停電)事情 2014年4月
シキホール島のBrown out(停電)事情 2014年5月
シキホール島のBrown out(停電)事情 2014年8月
シキホール島のBrown out(停電)事情 2014年11月


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