停電だ、おっと 真紀菜(2)

2017年8月



最近の発電機の様子

新しい発電機が導入されてからは シキホール島の電力事情はかなり安定していたが、最近になって、結構 停電するようになった。新しい発電機が動き出した時に、一体、いつまで安定に動いて、いつから故障を始めるのかなと思っていたが、2年余り経過して、どうやら、その答えが出たようで、停電の症状からどうも発電機の調子が悪そうで、いつものように、発電所へ聞き込みに行ってみた。

隠蔽体質・実は発電機が1台故障

発電所で聞いてみると、発電機が動いているのを見せて、「発電機は大丈夫で、停電の原因は PROSIELCO(送配電会社、プロシェルコ)だ」との説明を受けた。停電は、夜に皆が電灯をつけて、電力需要が最大の時に起こりやすく、どう見てもオーバーロードで、風が吹いて電線がショートして停電したような状況ではなく、発電側の問題のように思えた。しかし、反論しても押し問答になるだけなので、すぐにPROSIELCOへ確認に行った。

発電所で聞いてきたことを、PROSIELCOで説明すると、濡れ衣を着せられては たまらないので、ヒソヒソ声で、本当のことを話してくれた。2台ある発電機のうち1台が故障していて、いつ治るか目処が立っていないとのことだ。

早速、発電所に戻って、PROSIELCOで聞いてきたことを説明すると、今度は、正直に発電機の故障を認めた。簡単にバレる嘘を平気でつくフィリピン人が多いが、ここでも、その例が現れた。

全部で4台のうち1台が故障・影響は比較的軽微

現状では、シキホール島には2箇所発電所があり、それぞれ2台つづ発電機が設置されている。その内の1台だけの故障で、ピーク時に、オーバーロードで島全体が停電したあと、問題が発電機なのか、送電線なのか、順番に切り分けを行い、程なく復旧する。最近の状況では、発電機が瞬間的にオーバーロードしただけの場合が多く、大抵は 全体がすぐに復旧するが、3台で供給が追いついていない場合は、島の一部分が停電を続ける。個人的に困った点は、この犠牲の地域に我が家も入っているので 結構停電する。

不都合な事実

シキホール島で停電する場合に、場所によって、停電していたり、停電していなかったりするのは、よく知られていることだ。しかし、電力供給の不足で停電する場合に、犠牲になって停電しやすいところと、優先的に電気が来て 停電しにくい場所があり、非常に不公平な状態になっていることは、これまで、あまり話題になっていないし、私以外で クレームを言っているも聞かない。

私の家は海岸沿いにあるが、海岸が凹面で 向こう側の状況がよく見える。凹の両端で、電力供給の優先度が違っていて、私の家で停電していても、反対側では 電気が来ていることが非常に多い。それを見ては、そんな差別をするなら、電気代を安くせよと思ってしまうが、このような差別的な事実が明らさまに分かる場所は、ほとんど無くて、今のところ、ほとんどバレていないのだろう。

以下、ローカルな話になるが、

具体的な地域で説明しておくと、病院のあるPangiは、以前から最優先で電力が供給され、それにクレームが出ることはないだろう。その次が、Candanayの発電所から、PROSIELCOのオフィスがあるNonocの間で、PROSIELCOのオフィスから、島全体の電力供給のコントロールをしているので、ここに電気が来ないと困るということだ。
さらに、もう一つの発電所が島の南側のLaziにあるが、今回の状況だと、ここから島の南側の地域へ電力供給され、具体的には境界は、LarenaのHelenから、島の南側を回り、San JuanのPalitonまでとのことで、広範囲に渡っている。

このような供給体制なので、Candanayの発電所から、San Juanの一部までの地域で、主にSiquijorの町が、長引く停電の犠牲の対象になっていると言え、私の家も含まれている。

瞬時でもオーバーロードが起こると、島全体が停電し、その後、発電機、送電線が順次チェックされ、電気が戻るが、ここで犠牲と言っているのは、今回動いている3台の発電機では、供給不足で、一部地域だけ、しばらく電気が戻らない場所のことである。

発電と送配電会社

発電を担当するSIPCORと、送配電を担当するPROSIELCOの写真をそれぞれ紹介しておく。

発電会社の発電所
SIPCOR @Candany

送配電会社のオフィス
PROSIELCO@Nonoc

長い間待っていたが、PROSIELCOのFacebookが開設されていて、停電情報などが得られるようになっている。ただ、ここで書いたようなことは、見当たらない。


(参考) これまでの停電関連の記事

停電(Brown out) 2000年2月
Brown Out(停電)事例 2000年7月〜8月
Brown Out(停電)事例 2000年10月
Brown Out(停電)事情 2010年5月〜6月
停電だ、おっと 真紀菜 2011年10月
Brown Out(停電)事情 2012年2月〜
シキホール島のBrown out(停電)事情 2013年5月〜
シキホール島のBrown out(停電)事情 2014年4月
シキホール島のBrown out(停電)事情 2014年5月
シキホール島のBrown out(停電)事情 2014年8月
シキホール島のBrown out(停電)事情 2014年11月
シキホール島のBrown out(停電)事情 2016年5月


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