セブ・パシフィック航空(5J)の間引き運航

2014年7月作成
2018年6月更新


(→2018年6月更新分へ)

米国の航空会社で、シャトル便のような便数の多いフライトで、客が少ないとフライトを縮退して、次の便に客を振り替えるようなことはよく見かける。しかし、セブ・パシフィック航空(5J)の場合は、これを さらに推し進め、フライトをキャンセルして、二日先のフライトに、客を振り換えるという かなり強引な運行を平気で行う。これは、言ってみれば、フィリピンのジプニー方式で、客が一杯にならないと、出発しないのと似ている。すでに、私は これに二度引っかかり、ハノイと、シェムリアップで それぞれ二日足止めを食らうという日本の常識では考えられないことを経験した。自分としては、転んでもただでは起きない地頭のような発想で、それぞれ、ハノイでは ハーロン湾へ観光に行き、シェムリアップでは、アンコールワット周辺の遺跡巡りのサイクリングに励んだということで、実害は無かったとも言えるが、そういう客が居ても、世界では通用しないフライトのキャンセルであろう。

航空会社としては、二度を一度に済ませることで、燃料代その他を節約できて、大儲けということだろう。実際には客が少ないのに飛行機を飛ばしていては赤字なので、赤字を減らそうということだろうが、縮退によって赤字から黒字へ転換するというのが相場であろう。

以下、個別の事例を紹介しておく。

シェムリアップ便

カレンダー表示で、Xが間引きのキャンセル。○が定常運航。印なしが、そもそもフライトがなかった日で、そもそものスケジュールでは週4便運航している。

アンコールワットという世界有数の観光地なので、帰りが少々遅れても、遺跡巡りの観光を続けてもらえば良いという航空会社の魂胆が見え見えだ。マニラからの行きのフライトでキャンセルを食らったら、日程を変更して欲しいというか、返金するか、いずれにせよ、飛ばさないことで、燃料は節約できるし、航空会社に大いに有利に働くのは間違いない。私のように、二日遅れになるくらいならまだましだが、9月6日に予約を入れていた乗客だと3連続キャンセルで5日後のフライトになってしまう。予定を変更するか旅行を取り止めるかという場合が多そうだ。しかし、私のように陸路やってきて、シェムリアップから飛ぼうとするとちょっと厳しい。近いと言えそうなバンコクか、サイゴンからの便に変更してもらうことにするか。それでも、航空会社の都合でそんなことになり、かなり厳しい。

通常、これだけの仕打ちを航空会社から受ければ、お詫びマイル、そして、食事、ホテル、空港までの送迎が無料になるのが普通だ。しかし、LCCでフィリピンの航空会社となれば、世界の常識が通用しないのは当然と言えよう。下手に要求したら、何を言い返してくるか分からない。すぐに、返金と言われるのがオチであろう。

そもそも、この程度のことはやるだろうと想定して利用するのがSmart Travellerと言えよう。

もう一つ補足しておくと、シェムリアップでは、オフシーズンは他の航空会社もフライトのキャンセルが多い。しかし、同じ日に複数のフライトを持っていて、どれかの便をキャンセルしても、同日に少し時間が変る程度か、コードシェアしている他社便に振り換えるので、影響は少ない。

仕打ちだと言っている理由について、さらに補足しておくと、キャンセルを食らい、二日後に乗った飛行機はA320で、180人くらい乗れる飛行機で、それが満席に近い状態だった。これなら、キャンセルせずに、約120人乗りのA319を飛ばしておいても、それそれ半分以上は客が乗っていて、そんなに悪くないはずだ。夜の便なので機材繰りで困ることはありえない。それをしないで、大きめの飛行機を飛ばして 間引くのは、客の都合より自社の都合。いかにもフィリピンらしい所業と言えよう。

航空会社から嫌われることを散々書いているが、5Jを利用してのシェムリアップ行きは、かなりお勧めである。他のLCCも加えて、フィリピンに行ったついでに、世界的な観光地であるアンコールワットの遺跡を見物してくるのは非常にお得な旅と言える。ただ、その場合に、フライトのキャンセルもありえるので、余裕のあるスケジュールを組んだほうが良いということだ。

シェムリアップ便(REP/MNL)
-
7/8月 27
X
28 29
30 31
8/1 2
8月 3
X
4 5
6 7
X
8 9
10
11 12
13 14
X
15 15
17
18 19
20 21
22 23
24
25 26
27 28
29 30
9月 31
9/1 2
X
3 4
5 6
X
7
X
8 9
X
10 11
12 13
X
14
15 16
17 18
19 20
X
21
22 23
24 25
26 27
9/10月 28
29 30
10/1 2
3 4

X:間引きキャンセル ○:定常運航 印無し:フライトの無い日

プーケット便

アンコールワット観光と同様で、欠航したらビーチで さらにゆっくりしておいてくれということなのだろう。9月以降はずっと週2便になっていて、そのようにスケジュールを変更したのかもしれないが、5Jのサイトを見た限りでは、分からなかったので、X印を付けておいた。

プーケット便(HKT/MNL)
-
7/8月 27 28 29
X
30
31 8/1
2
8月 3 4 5
X
6
7 8
9
10 11 12
X
13
14 15
15
17 18 19
20
21 22
23
24 25 26
27
28 29
30
9月 31 9/1 2
3
X
4 5
6
7 8 9
10
X
11 12
13
14 15 16
17
X
18 19
20
21 22 23
24
X
25 26
27
9/10月 28 29 30
10/1
X
2 3
4

X:間引きキャンセル ○:定常運航 印無し:フライトの無い日

関空便

公称値は週7便だが、実態は週5便で運航している。この便を利用している人にとっては、周知の事実であろう。その証拠として年末年始の運航状況を揚げておく。通常、このような場合は、週5便とアナウンスし、年末年始の臨時スケジュールというのが普通だろう。客が増えてくれば、実態も週7便に戻したいのだろう。

実質週5便が かなり前から定着しているので、予約していたのにキャンセルを食らったという話は最近は少ないはずだ。


関空便(KIX/MNL)
-
12月 7
8
X
9
10
11
12
X
13
14
15
X
16
17
18
19
X
20
21
22
23
24
25
26
27

12/1月
28
29
30
31
1/1
2
3
1月 4
5
6
7
8
9
X
10
11
12
X
13
14
15
16
X
17
18
19
X
20
21
22
23
X
24
9/10月 25
26
X
27
28
29
30
X
31

X:間引きキャンセル ○:定常運航 印無し:フライトの無い日


(以下、2018年6月追加)

間引き運航で乗り継ぎができない場合

最近は、間引き運航を経験することが増えて、航空会社からは間引きだとは言わないが、予約変更の知らせがよく届く。
今年の3月にフィリピンにやってきて、4月に日本に帰国しようとした人から相談を受けたが、帰国便のドゥマゲッティからマニラまでの国内線が間引きで、後からの便に振り替えになったものの、それでは国際線に乗り継げず、対応にてこずったということだった。
すると、今度は自分も同じ目に遭ってしまった。5月に日本に帰国するときに、やはり、国内線が間引きで後の便に振替になり、国際線に乗り継げなくなったものの、なんとか前日の国内線に変更して帰国できた。

9月にビザランで シンガポール便を予約したが、こちらも間引きで、往路復路とも1日遅れの便になり、もともとの日付のフライトは消滅した。
以前も、ハノイ便、シェムリアップ便、ダバオ便その他いろいろと間引きにあったが、最近のような頻度ではなかった。

バーゲンで国際線、国内線のチケットを別々に購入する影響

間引き運航のためフライトの時間が変わるのは困りものだが、特に困るのは、乗り継ぎができない場合だろう。
どうして そうなるかというと、バーゲンの対象区間の関係で、国際線と国内線を別切りで、違う時期に購入することが挙げられる。私も含め、安いのでLCCに乗ろうという人が多いはずで、そうなると、5Jの場合、国際線と国内線のバーゲンの時期が異なり、別々に買うことが多いはずだ。国際線と国内線を通して発券すると、折角の国際線のバーゲンが適用されていないというようなことも起こりがちだ。

国際線と国内線のチケットが別々だと、それぞれが関連づけられていないので、最初のフライトが間引きされ、 時間的に後のフライトに振り替えられた場合、続くフライトに乗り継げない場合が多そうだ。

5Jのサイトで手続きしようとしたらエラー発生 (2018年7月追加)

間引きでフライトが振替になると、そのconfirmを求められ、そのまま受け入れる分には、5Jのサイトで手続きすれば、これまでの経験では特に問題は起こっていない。しかし、今回のように、それでは乗り継げない場合には、変更が必要になり、それを5Jのサイトでやろうとしたら エラーになった。うまくいかないので、いろいろ試していると、そのうち 航空会社が変更してきた乗り継げないフライトが 意に反してconfirmされてしまった。

間引き運航のトラブル対策

日本のコールセンターに電話

上の例で4月に乗り継げず困った人の場合には、日本のコールセンターの番号がまだなかったので、メールでやりとりして何とかしてもらったそうだ。しかし、その後、5月の私のフライトでは、日本のコールセンターの番号も公表されていて、国際電話することになったが、そちらの番号に電話できた。

https://www.cebupacificair.com/ja-jp/Pages/contact-us

以前の自分の例だと、マニラに電話しても混んでいてつながらないので、香港の5Jにかけて、対応してもらったことがあった。

同日乗り継ぎは避ける

これまでの私のやり方がこれで、 フライトの変更や遅れなど、いろいろなリスクに対応できるよう、乗り継ぎ地で1泊して、から翌日のフライトに乗り継ぐようにしていた。しかし、今回の5月の場合は、時間、費用の節約を狙って、同日乗り継ぎにしたところ、いきなり、破たんしてしまった。LCCでは間引きのフライト変更でホテルを用意してくれるわけではないし、お詫びマイルもくれない。いろいろトラブルもあったので、次回からは、以前と同様 乗り継ぎ地で一泊して、マージンをとることにした。
これを、広くお薦めするわけにはいかないが、時間の余裕がある人には、同日乗り継ぎは避けることを提案したい。

想定内

最初にベトナムに行った時に、ハノイ・マニラ便が間引かれ、ハノイに2日余計に滞在することになった。お陰で、定番のハーロン湾見物に行くことができて、得した気分になった。航空会社は宿泊費も含め、なにも費用を負担してくれるわけではないが、時間のボーナスをもらえてお得と思えた。
フィリピンでは、知り合いと町中で会う約束をしても、来るか来ないか保証の限りではなくて、来ない場合に連絡もしない人が多い。そこで、最初から、来ない場合のプランも考えて行動している。私のハノイの場合は、想定内ではなかったが、 万一乗れなくても、よし来たとほくそ笑んで、想定していた代替案を楽しめるようなら、フィリピン適性は大と言えそうだ。

(参考)これまでの5J関連の記事


セブ・パシフィック航空
セブ・パシフィック航空 国際線利用のメリット
セブ・パシフィック航空の国際線でのトラブル事例
セブ・パシフィック航空(5J)のフライト・キャンセル
セブ・パシフィック航空のバーゲン
セブパシフィック航空のバーゲンでの割り引き区間
マニラ行き5J、3K比較
LCC 割高航空会社
セブ・パシフィック航空の寸止め駐機
5Jで到着した空港で寝れるか?




BACK